饗くろ㐂 黒木大将が最果ての島に来てくれたお話。
こんばんは、中村衞商事の中村です。
2025年9月東京・浅草橋「饗くろ㐂」大将黒木さんが、礼文島まで足を運び、島の利尻昆布をご覧になり、味を確かめてくださいました。お忙しい中、遠路はるばるお越しいただき、心より御礼申し上げます。今回、タイトルにある通りとある方が礼文島に来てくださったので、その話をしたいと思います。
まず、黒木さんとの出会いですが、
9月に出版された「祇園さゝ木 進化する京料理 祇園さゝ木一門 8人の料理人 56のテーマ別レシピ」の協賛の件で、旭屋出版にご訪問した際に、旭屋出版のご担当の方に「東京でご紹介いただけるようなラーメン屋はありませんか」というご相談をしたところ、黒木さんの名前が真っ先に上がり紹介いただきました。なんと、本までいただいてしまい、、「饗くろ喜の春夏秋冬」
本を貰った私の第一印象は、「ラーメンで本一冊って書けるの??」でした。笑
その後いつもの営業スタイルで、黒木さんをネット上でとことん調べ、いざ電話!
「まずは味を見ていただけないか」というお願いをし、数種類の昆布をお送りし、ご試飲いただきました。電話の対応がすごく素敵な方だなと思っていた矢先に、なんとこんなフィードバックが。。。

昆布のサンプルに対してのレビューをノートにびっしり書いて、、、。
これは、めちゃくちゃ嬉しかったです。
というのは普段私が接している漁師は、自分の獲った昆布が一体どこで誰がどんな風に使われているか分からず、漁に取り組んでいる漁師がほとんどです。そんな彼らにこのノートのコピーを印刷して、「こんな風に味がしたらしいよ」と伝え回りました。
そうすると彼らも、
「やっぱり尻尾の部分はダメか〜」
「熟成させた方がうまいよな」
「ミミって意外と出汁出るんだね!!」
「意外に根昆布出汁出なかったかあ、、」
などリアクションがあり、新たな発見がありました。
ズバリいただいた所感は、「雑味が一切なく、澄み切った旨みと上品な香り。喉をすっと通り、口内には利尻昆布の良さだけが残る」とのこと。
私たちが日々向き合っている島物利尻昆布の個性を、まっすぐに感じ取ってくださったことが何より嬉しく、励みになりました。
その後、黒木さんから「生産者に会いに島に行こうと思う」とご相談があり、なんと数日間をお店を休んで、本当に来てくれました。
私自身、「色んな人から島に行くよ!!」などと言っていただけるのですが、本当に来る人は直感で分かるようになってき、今回その直感は当たりました。😎京都の料理人の方も、実はその予感が当たっていました。本当に行きたいと思ってくださっている人の言葉は、どこか重みがあるのです。
滞在中は、倉庫で寝かせている昆布をご覧いただき、ひと束ごとに表情が異なる“面構え”や、選別・規格、乾燥の違い(天日/機械)についても意見交換しました。2泊3日と限られた時間の中で、漁師と向き合い、たくさんの質問を投げかけていた黒木さんの姿が印象的でした。
ラーメン業界では羅臼昆布が使われることが多く、厚みある味、香りが、使いやすいそうです。羅臼昆布の不漁が続く中、「ラーメン」というフィールドで利尻昆布の新しい可能性に挑む黒木さんの新作ラーメンはどんな味になるのかとても楽しみですね。私たちも、産地・等級・部位・年ごとの個性を丁寧に紐解き、最適なご提案ができるよう、漁師さんと共に一層の研鑽を重ねます。
今回は時化のため操業見学は叶いませんでしたが、来季はぜひ収穫の現場もご覧いただければと思います。黒木さん、そしてご紹介のご縁をつないでくださった皆さまに、改めて深く感謝申し上げます。
これからの「饗くろ㐂」× 礼文島・利尻昆布、とても楽しみです。
来年もまたお待ちしてます。