創業
創業ストーリー
代表 中村 文衛
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利尻昆布――。
数百年の歴史を持ち、茶の湯の時代から最高峰の出汁昆布として名を馳せてきました。
今日においても、料亭や割烹、世界の料理人たちが「昆布の頂点」として高く評価しています。
しかし、その名声の裏側で、現場を支える生産者たちは疲弊しつつあります。
夏の短い漁期に、危険と隣り合わせで昆布を刈り取る。
炎天下で何日もかけて干し、夜露を避けながら天日と風で仕上げる。
一枚一枚の昆布には、計り知れない労力と忍耐が宿っています。
近年特に顕著なのが、生産者の高齢化と担い手不足は深刻です。
「最高級品」として取引される利尻昆布であっても、その価値が正しく収益へと結びつかず、島を支える漁師たちは将来に不安を抱いています。
中村衞商事は、この現実に向き合うところから始まりました。
“価値ある昆布を正しい形で届け、生産者が報われる流通を築く”
その理念のもと、漁師との直接連携を軸に、札幌から全国・世界の料理人へと昆布と雲丹を届けています。
産地の物語を正しく伝えること。
料理人が望む最良の状態で商品を仕上げること。
そして、生産者が胸を張って次の世代に海を託せる環境をつくること。
「北の果てから世界へ」。
中村衞商事の創業ストーリーは、名実ともに評価される利尻昆布の未来を守るための挑戦であり、海と料理人と生産者を再び一つにつなぐ航路の始まりです。