いい昆布とは一体なんだろうという話
いい昆布とは、何か?
私の意見では、以下の通りだと考えています。
「①漁師が厳選した漁場で昆布を取り、②その昆布を最適な温度で乾燥させ、③倉庫・もしくは蔵で適切に温度・湿度を管理した昆布」
要は、
①漁場②昆布の管理③熟成
この3つが揃えば、いい昆布と言えると考えています。
しかし現状この3つを全て完璧に行えるのは至難の業です。
特に、①の漁場について、現状の流通で昆布の漁場を細かく指定することは不可能です。その為、料理人は昆布問屋から送られてきた昆布を使うしかありません。よく聞く声は、「今回の昆布はいまいちやったな」「今回の昆布は薄いわ」などがあります。
実際、当社が携わる礼文島においても漁場によって昆布が違いますし、(例えば東、西)
獲る人によっても、干し方、切り方が各々異なります。
例えば以下の項目です。
①場所 東、西、南、北 どこで取るか?
②道具 鎌で取るか、ねじりで取るか?
③温度帯 天日干しで乾かすか、温風機械で乾かすか?

その他にも・・ 岩礁比 | 波当たり(弱/中/強) | 平均流速(体感) | 透明度(m)春/夏 | 低〜中温滞在(時間/週) | 水深帯(m) | 群落密度(被度%) | 採取→洗い(分) | 葉厚(mm) |
将来的に(いつになるか全くわかりません)昆布の旨味スコアシートのようなものを作って、一体どういう工程で作られた昆布が一番美味しいのかを解明できればと企んでいます。
もしそのようなことに興味がある研修者いらっしゃいましたら、是非とも共同研究させていただければと思っています。
最後に、今年は昆布が昨年比で豊漁となっています。
昆布がないないと言われ続けた業者に取って喜ばしいニュースかと思います。
しかし、漁師から言われた一言は、「文衛申し訳ないが、今年の昆布は近年稀に見るぐらい悪い昆布だぞ、昆布が海にありすぎて上手く光合成に必要な光が、海底に行き届かなかったんじゃないか?」
もしかすると、大不漁の年の昆布が一番美味しかったりして。。。